岡山中学校・岡山高等学校

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仕事というものは、嫌という程私達の弱点を暴き出すものだ

2017/12/01

                                         平成29年度創立記念日式辞 

今年は関西学園創立130周年でしたので、岡山中高だけでなく学校法人関西学園の沿革を簡単に説明します。

1887    中川横太郎らにより「岡山薬学校」を中山下に設立。その後、
             「医薬学校予備門」となり、医学界に秀れた人材を輩出する。

1894年  関東に対し、関西全域のトップ校として5年制の「関西尋常中学校」と改める。当時県下で上級学校進学資格を有する中学校は、「県立岡山中学校」(現:岡山朝日高校)と「関西尋常中学」の2校のみであった。

1902年  アメリカ修学旅行を行う。

1906年  児島郡天城に分校を設立。(現:倉敷天城高校)

1920    岡山市内に中学校増設の議がおこり「岡山第二中学校」として県立移の要請があったが、これを拒否し私学の権威と伝統を守る。

1948年  戦後の学制改革により「関西高等学校」となる。

1982年  岡山市箕島に中高一貫教育をめざし「岡山中学校」を開校。爾来36年を経

1985年 「岡山高等学校」を開校する

岡山中学校・岡山高等学校の校訓はただ一つ「天分発揮」です。今日は本校の「校訓」について考えてみたい。 

「仕事というものは、嫌という程私達の弱点を暴き出すものだ」という言葉があります。神谷美恵子の言葉だ。神谷美恵子は岡山生まれ、ハンセン病や精神疾患の患者のために生涯を捧げた東大の精神科医であり、古代ギリシャ哲学と中世キリスト教学と英文学・フランス文学の研究者でもあった。彼女の言葉の中の「仕事」を「勉強」に置き換えてみると、「勉強というものは、嫌という程私達の弱点を暴き出すものだ」となる。私たち岡中高の校訓の「天分発揮」というのは、大変な努力が必要な、とても苛酷な校訓であることを説明しておきたい。 

 誰だって、何かに一生懸命になればなるほど自分のダメさ加減や無力さに気付くものです。神谷美恵子が言うように、そのことをいちばん痛感するのは、大人なら「仕事」、学生なら「勉強」だと思う。私たち大人は仕事をすればするほど、貴方達学生は勉強すればするほど、知識を得れば得るほど、頑張れば頑張るほど、未熟な自分に腹立たしさを覚えてくるものです。 

実際の行動どころか、「明日からはしっかり勉強しよう」とか「数学の問題演習を毎日解こう」「英語の単語を覚えよう」と「決心」しても、すぐにその決意がどこかに行ってしまう。「毎朝自習室で勉強しよう」と決心してもなかなか続かない。「寮の点呼に絶対遅れないぞ」と決心しても、朝になると決意は鈍る。 

 勉強だけではない。恋愛や親子関係、友人との人間関係だって同じだ。真面目に相手と向き合ったつもりでも、相手に誤解されたり、相手を思う気持ちが一方通行で辛い思いをしたりして、自分の弱さやダメさ加減を目の当たりにする。己の気持ちを相手にストレートに伝えることの難しさ。相手を思いやる気持ちを伝えることの大変さを誰もが実感する。 

何かに向けて頑張ろうと一生懸命になれば、必ず、それを邪魔する「壁」のようなものが立ちはだかってくる。その「壁」は、貴方達の成長への誘いに他ならない。「貴方、成長しますか?それとも、今のままでいいですか?」というように。その「壁」はあなた達に頑張り続ける決意を促してくれる「壁」なのです。 

 これから貴方達が進んでいく長く苦しい道のりが私には見える。学校生活の面白さと大変さの両方が貴方達を待ち受けています。でも、どうしてもその大変な道のりを自分の足で歩いて行かなければ、何も身に付けることはできません。毎日が楽しいほうがもちろん良いけれど、楽しいだけの学校生活はあり得ない。部活動も大変。人間関係も大変。受験勉強も大変。結局、人間はやらなきゃいけないことを避けて通ることはできないのです。黙って涙も見せず黙々と歩み続けるうちに自分の進むべき道筋が見えてくるものです。 

そんなちっぽけな自分でも、僅かばかりの進歩が見えたら「一生懸命も捨てたもんじゃない」と思えるかもしれない。本校の「天分発揮」には時間がかかり、大変な努力が必要で、決して努力を惜しんではならないということを、今日、貴方達にはっきりと伝えておきたいと思います。

最後に、「創立記念日のしおり」を開けてください。「相田みつを」と言う人の詩を紹介して、平成29年度創立記念日の式辞とします。